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フルートとの出会い

2022.12.12

わたしが9歳の頃、引っ越した先の学校で吹奏楽に出会った。

それまで楽器のことなんてまったく知らず、どれがサックスでどれがトランペットかもわからないくらいだった。

お友達に一緒にやろうと誘われたのがきっかけで倶楽部に入った。

 

その倶楽部では、まず初めにメトロノームのリズムに合わせてバチを叩く練習をして、試験に受かるたびにシールが貰える。いっぱいになったら好きな楽器の吹く部分だけを貰えて、音が出る練習をし、きちんと出るようになったら楽器を持たせてもらえるという仕組みだった。

 

なんだかよくわからないままゲーム感覚でバチを叩き、よくわからないまま楽器の吹く部分を貰えることになったので2個前の子が言っていたのを真似して「フルートください」と言った。

それがフルートとの出会いだった。

そしてなんとそこから10年間吹き続けることになる。

 

フルートと毎日共に過ごしてるうちにもっと吹けるようになりたいと思うようになり、両親の計らいで部活とは別で個人的にフルート教室に通わせてもらっていた。通ってみて気付いたが、どちらかというとわたしはひとりで吹くより吹奏楽で合奏する方が楽しくて好きだった。

 

オタク気質&音フェチなので、「このタイミングのこの入り方するトロンボーンが最高にセクシー!」「さりげないリズム刻んでるここのサックスの音がたまらない!」など、合奏するたび心の中はこんな感じに高揚していた。

また全員の気持ちがひとつになる瞬間というのは、音に包まれて泳いでるような全員の足を繋いだ二人三脚をしているような…、本当になんとも言えない感覚で、曲が終わった瞬間にはとてつもない達成感で思わずッハァ〜!と両手をあげ仰け反りたくなるのだ。

心が熱くなるというのはまさにこのことだと思う。これは合奏でしか得られない快感だった。

 

そんな青春の輝きを共にしたフルートも、学生生活が終わったと同時に触ることはなくなってしまった。

 

先日久々にケースを開けたら黒く汚れてしまっていたので、数年ぶりに楽器屋さんに行ってシルバーポリッシュとクロスを買った。それだけであの頃に戻ったようでワクワクした。

こんなに長年触ってなかったらもうこの汚れも染み付いてとれないかもな…と思いながら拭いてみると、そんな心配をよそにピカピカになってくれた。よかった。

 

本当はまた合奏がしたいけれど、とりあえず久々にフルートを吹いてみることから始めてみようと思う。

 

音、出るかしら。

from 有