起きたら顔が変わっている話
2023.1.18
2015年公開の「ビューティ・インサイド」という韓国映画を観た。
寝る前のお供として何を観ようか探していたところ「目覚めるたび、年齢も性別も国籍も違う外見になってしまう青年が、1人の女性に恋をする。何とかデートにこぎつけたものの、ずっと一緒にいるためには夜眠れない。」というあらすじに惹かれて、この映画に決めた。
主演は、なんと123人。起きるたびに毎日人が変わってしまうので1人の役を何人もの人がやる。日本人にもなるのだがその役は上野樹里が演じていた(とても素敵なシーンだった)。
あらすじからして、ラブコメディ系かなと思って観ていたがコメディ要素はほぼなくしっかりラブロマンスだった。主人公が家具デザイナーでヒロインがアンティーク家具店で働いているので、映像にお洒落な家具が出てくるのも楽しめるポイントだった。アングルポイズ、やっぱり良いな。
なんだか設定にも少し無理があるし感情移入できるのかなと思いながら観たが、物語が進むに連れてヒロインと一緒に受け入れ、そしてすっかり慣れてくるので面白い。
今日がどんな人になっているかわからなかった時「待ち合わせであなたを見つけることもできないの」と不安に襲われ悲しくなっているヒロインと一緒に悲しくなって、わたしも泣いた。
ファンタジーとはいえ、外見だけじゃない内面での人付き合いだったり、外見を含めてのアイデンティティみたいなものだったり、そういうのを改めて考えさせられるいい内容だった。
あと、恋愛は永遠にいい時間だけが続けばいいのになかなかそうもいかないし、うまくいかなくなった瞬間からは転がり落ちる速度があまりにも早くて切ないよなあと、しみじみしてしまったな。この状況を変えるには終わらせるしかないとか、そういうの。
韓国作品といえばいつもゴリゴリのラブコメドラマを観ちゃうので、こんな雰囲気の静かなラブロマンス映画は初めてだった。しっとり観れるので寝る前におすすめ。