クリスタル・チンアナゴ
2023.1.25
前日の寒波から一夜明け、窓の外を見ると一面真っ白の雪景色!
もふもふでキラキラした銀世界になっていた。
よく見ると、朝通勤のサラリーマンたちが滑って転ばないように慎重に一歩ずつ歩いている。あ、転んだ。こりゃあ大変だ、今日は外には出られないな...と引きこもる覚悟をし、温かいコーヒーを淹れた。
おうちから見える京都五山は、雪で大文字部分が真っ白に覆われていた。貴重だし記念に写真を撮っておこうと数枚撮ってふと目線を手前にやると、なんと我が家のベランダに氷柱が出来ている。
氷柱まで見られるなんて!
しかも、よく見たらこの氷柱、チンアナゴのように下から生えている。
パキッと切れた形跡もないしおそらく水が垂れて途切れた瞬間にでも凍ったんだろうけど、あまりにも頭部分がまあるいので本当にチンアナゴ。
どうみてもクリスタル・チンアナゴだった。
おもしろくてしばらく撮影、観察、報告をしていたけれど、ひとしきり堪能して満足したしとてつもなく寒くなってきたのでカーテンを閉めてクリスタル・チンアナゴとはおさらばした。
昔まだ小学生の頃だったか、実家のベランダの室外機裏に鳩が巣を作っていて、気づいた時には可愛い卵が二つ産み落とされていたことがあった。
父と母と相談して巣ごと移動させようかという話にもなったが、調べてみると鳩は巣の場所が少しでも変わると全くわからなくなってしまう(匂いとかでわかるものかと思った)し、放置された卵はカラスに狙われてしまうという記事を読んで、母鳩と共に育てる覚悟を決め、夏の暑い日にクーラーもつけず巣立つまで見守り続けたのだった。
クーラーをつけたら室外機の羽が回って水も出ちゃって危険だからネ。
夏休み中ずっとうちわと扇風機のみで辛かったけれど、かわいい雛たちのために頑張った。母鳩も餌を使いながら懸命に外に出させる練習をしていて一緒に応援もした。ある日雛たちを狙いにカラスが来たときは震えながら追い払ったりもした。そのうち愛情も湧き母鳩のような気持ちになっていた。
そんなある日、いつもと同じようにどうしてるかなと様子を見に行くと、大きくなった雛たちがわたしのほうを見てきた。
「かわいいね〜どちたの〜」と覗き込んだその瞬間、なんとガラス越しに思いっきり威嚇をしてきたのだ。
ふわふわの毛を逆立て、偉そうに、そしてとても睨みをきかせていた。
な、なんだ、やんのかぁ!?
誰がここまで育ててやったと思ってるんだ!(母鳩です)
威嚇をされながらも無事に巣立った後、産まれた場所に戻ってきてそこでまた卵を産み落とすらしいというのを見たので、速攻で父と掃除して「戻ってくるなよ!暑かったんだぞぉ!元気でね、バイバイ!」と向かいのビルにいる2羽に叫んだ。
そんなことをクリスタル・チンアナゴで思い出したのだった(なんで?)。