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外の世界は素晴らしいのに

2023.3.7

わたしは油断するとすぐに引きこもり、たちまち省エネモードになる癖がある。

 

おうちからは一歩も出ず、朝起きたら顔を洗って髪を結ぶのみで化粧もせず、コンタクトは節約したいため度入りのメガネを装着。ご飯はお茶碗一杯分のお米を食べれば大体満足。飲み物も究極に渇くまで飲むのを忘れ、トイレも気がついたら何時間も行ってないとかがザラにある。

そうこうしてなんだかメリハリがなく机の前で岩のように動かないまま、1日が過ぎてしまうのだ。

 

とまあそんな調子だから、結構強く意識しないと出かけるモードにならない。厄介な性格で本当に困る。

 

ここ2日ほどそんな省エネ暮らしをしていたが、今朝起きた時に突然自分に痺れを切らした。

ずっと家の中にいるくせに省エネモードで余計なことは一切しないので、洗濯も洗い物も溜まり全体的にごちゃっとしていて、それを見て「空気が悪い!!」と一気に限界を感じたのだ。

 

せっせと花や草に水をやり、洗い物をし、洗濯を2回まわし、床掃除をして、布団を整え、窓を開け家の中をまるっと換気した。

ああ、気分が良い。

 

忘れていた未払いの納付書たちを持って2日ぶりに家を出た。

ああ、気持ちが良い!

我が家は北向きなのでおうちにいたら太陽を浴びることがない。知らぬ間に気分がどよんとしていたのかもしれない。外に出た瞬間、まるでラプンツェルが初めて塔から出た時のように、外の世界を全身で感じた。

 

鳥が気持ちよさそうに飛んでいる。気候が程よい具合で、長く歩いているであろうお姉さんは暑くなったのか上着を脱ぎ手に持っていた。

ゆるやかな風につつまれながら郵便局に向かって歩いていると、珍しくぽこんぽこんとアイデアが浮かんでくる。色々と頭が整理されスッキリしたのか。

 

よく恩師に「とりあえず朝早く起きて外に出てカフェにでも行くといいよ」とアドバイスをもらっていたのに、まんまと引きこもってしまっていたことを心の中で懺悔した。

from 有