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星新一に出会ったときの話

2023.3.31

わたしは小さい頃から本を読むのが好きだった。

小学生の頃、「朝の読書タイム」というのがあって、ハイドンのセレナーデが流れる中30分ほど好きな本を読むことができた。漫画はだめで、小説などの活字を読むか、本を持ってきてない子は教科書を読むというルールがあった。

 

わたしは毎日その時間が好きだったけどいつももどかしい気持ちになっていた。だって30分ってちょうど物語に没頭して楽しくなってくる頃だし、続きは次の日になってしまうなんてなんだかおあずけされている気分だ。

 

そんな感じで授業が始まってもその日読んだ本の話から妄想を巡らせたり、絵に描いてみたりしてしばらく抜け出せないということもよくあった(頼むからちゃんと授業を受けてほしい)。

 

ふと、さくっと読める短い物語ってなんかないのかなと思った。思ったあと探したのか、母に聞いたのか、本屋でたまたま目にしたのか、果たしてその頃が小学生だったのか、中学生だったのか、その辺の記憶がまったくないのだが、そんなわたしが出会ったのがショート・ショート作家の「星新一」だった。

 

自分でも気づいていなかったのだけれど、SFの物語が結構好きだった。特に星新一のショート・ショートは読んでいてすぐに頭の中に情景が湧く。見たこともない世界なのに何故か鮮明にイメージできた。何より読んでいる途中に「もしかして...」全て読んだ後に「そういうことだったのか!」と何回も楽しめるのがいい。あの独特な世界観に魅了されて以来、今でも愛してやまないものとなった。

 

好きな話が沢山あるけれど、その中でもやはり印象的なのは「ボッコちゃん」。代表作のようなもので知ってる人も多いと思う。

BARのマスターが趣味で作った女の子型のロボット「ボッコちゃん」を店の女の子として置いたことからある事件になってしまうお話。不気味で大好き。以前NHKで実写化され水原希子さんがボッコちゃん役を演じていたが完全に想像通りで鳥肌がたった。

 

他にも印象に残ったものだと「おーいでてこーい」や「ナンバー・クラブ」「宣伝の時代」「ゆきとどいた生活」「殺し屋ですのよ」なんかもいい。「ナンバー・クラブ」に関してはいまのマイナンバーを預言するような話で、「宣伝の時代」もまさにインフルエンサーやYoutuberが商品をPRする現代を表しているような話。当時これを思いついた星新一はやっぱり天才なんだと思う。

 

少し前にデザインの訓練で本の装丁を勝手にやっていた時があって、星新一の作品も沢山作ったので一部載せておこう(楽しくて仕方なかったのでまたやりたい)。

 

 

 

訓練にしては結構いいでしょ(自画自賛)。

星新一は1回じゃ語りきれないのでどこかのタイミングでまた書こう。

 

好きな本の話も沢山していきたいなあ。

from 有