昔あった場所
2023.4.23
お昼に一服がてら「TORIBA COFFEE KYOTO」という喫茶に入った。ここは前まで「京華堂利保」があった場所だ。
京華堂利保は、明治36年からある歴史ある京菓子の老舗で、去年の2021年1月その歴史に幕を閉じた。
ここのことは恩師から「どれも素敵で手土産にいいお店があるんだ」と話を聞いていた。おすすめは、しぐれ傘、そして竹の子と松茸の「竹の露」というお汁粉だった。
いつかわたしも行ってみたいと思っていた。
そして去年「京都で一番好きなお店が今日閉店で、悲しい」とメッセージがきた。
わたしも、悲しかった。
お客さんは最後の日ギリギリまで足を運び、当日には多くの人がSNSに寂しい悲しいと思いを綴って写真を投稿していて、いかに愛されていたかが伝わってきた。
のちに調べたら、後継ぎ予定だった4代目主人の次女である彩さんという方が商品をアレンジしたり包装紙もカラフルで遊び心とこだわりの詰まったものにしたりととってもクリエイティブだったんだとか。
突然のくも膜下出血にて亡くなられてしまったのは若干31歳の年と書かれている記事を読み、歳が近いわたしは余計に悲しくなってしまった(閉店の理由はそれだけではないようだけれど)。
一度でも京華堂利保さんの商品を食べてみたかった。
素敵なお店がなくなってしまうのは本当に悲しいことだけど、少なくともわたしが生きているあいだは絶対にこのことを覚えておこう、と思った。