ぬちぐすい
2023.5.23
「ぬちぐすい」。
沖縄の言葉で、ぬちには「命」、ぐすいには「薬」という意味があることから、命の薬といった言葉なんだそう。また、「薬になるくらい美味しいもの」なんかを指す言葉でもあるらしい。
素晴らしい言葉だなあと思った。食というのは人間ととても密接な関係にあるから、まさに薬のようなものだもの。現にわたしは美味しいものを食べたらケロッと元気になっちゃうし。
今日はそんな名前のついた西院にある「ぬちぐすい〜千秋〜」さんにお邪魔してきた。沖縄の料理も置いてある創作居酒屋なんだとか。ご夫婦がいらっしゃって、ご主人が沖縄出身とのこと。
手書きで書かれたメニューに目を通し、いくつか注文。
タコの酢の物、人参しりしり、里芋の唐揚げなどどれも美味しい。でも飛び抜けて感動したのはソーミンチャンプル。短めで少し平たい麺を使っていて食感が絶妙だし、味付けも最高!これは何回でもおかわりできてしまう。悪魔的食べ物である...。
沖縄らしいパッションフルーツサワーなんかをいただきながら、ゆるやかで贅沢な時間を堪能した。
恩師も沖縄にゆかりがあってその後京都に来ているのだが、ご主人も沖縄から京都へ来たようで、昔からの文化が強く残っている場所同士なにか近いものがあるのかもねっていう話をした。
わたしは沖縄へは旅行で数回しか行ったことがないので詳しくわからないのだけど、京都で暮らすようになって不思議な気持ちになることが多々ある。
歴史の教科書で学んでいた物事がこの場所で行われていることとか、その時代から今までこれがそのまま残っている奇跡とか、それこそ何百年も続いているものとかもざらにある。普通は時代の流れとともに風化していくものなのに、それを街が、国が、全員でしっかり守ろうとしている。そういう強い意識は誰か一人だけが頑張っても難しい。共通の思いがないと到底無理なことだ。
その奇跡と思いの上にいま立っていると思うといつも感慨深い気持ちになる。もしかしたら今、数百年前の偉人と同じ場所に立っているのかもしれない、みたいな。わたしが立っているこの場所に数百年後立っている人がいるのかもと思うのもおもしろい。未来に続く今に感謝しなければいけないな。
西院でいろんな思いを巡らせた夜だった。