すっかり秋めいてきた。

 

ちょうど、だらだらと暑い日が続いていることにうんざりしていたところだった。季節は9月だというのに、ついこのあいだまでゆるやかにクーラーをつけるか扇風機を回していて、いい加減はやく秋になってくれと思っていた。

 

それが数日前のこと。換気のために窓を開けていると、カーテンが強く揺れ、付けっぱなしの南部鉄器の風鈴がチリンチリンと音を鳴らした。夏は締めっきりでクーラーを効かせていたため全く活躍の場がなかった風鈴が、綺麗な音を鳴らしたので驚いた。今このタイミングで鳴るとは風鈴も思ってなかっただろうから、多分お互い驚いたと思う。

 

そっか、秋の風が吹いたのか。

外に出ると、暖かさと涼しさが混ざり合うあの秋独特の気候に変わってきていた。秋って本当に魅力的で大好きだ。

ただ、秋は大好きなんだけど、きっと本当に一瞬で冬になってしまうんだろう。今年もあと100日らしいし、衣替えしているあいだに毛布が必要になりそうだ。我が家(京都)の冬はかなり過酷なので、この束の間の秋を思う存分満喫しなければと思った。

 

そんなことを考えながら思い切り伸びをした。さて、部屋に戻って風鈴でも片付けるか。

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