甘栗専門店「林万昌堂」
2023.3.4
甘栗の老舗「林万昌堂」は四条に本店があり140年続く歴史ある京の甘栗屋さんだ。
実はここ、京都に来るもっと前から知っていた。
元々祖父母がとても京都好きだったので、よくお土産に買ってきては剥いて食べさせてくれていた。母もよく剥いてくれていたが、剥かれてすぐにわたしが口に運ぶので剥いても剥いても追いつかず母に「すぐ消えて剥いた感じがしないから2,3個たまってから食べて!?」と怒られていた。幼い頃はよくわからないままただ栗を頬張っていたが、今になって「ここのだったのかあ!」としっくりきたのだった。
林万昌堂の甘栗には、通常粒の甘栗と厳選大甘栗の2種類がある。厳選大甘栗は通常粒の1.5倍の大きさの栗を使用しているらしい。もちろんわたしはいつも厳選大甘栗。
丁寧にじっくりと焼き上げられた甘栗は香ばしくていい匂い。
面倒に思うかもしれないが、栗を剥く時間もいいのだ。栗の平たい部分に爪で切り込みを入れ、両側をぐっと抑えると切り込み部分からパキッと割れ中身が出てくるのだが、うまく剥けたときの達成感は地味に良い。ゆで卵の殻がペリペリ...と綺麗にしかも大きい範囲で剥けたときに近い快感度。
百貨店やオンラインショップなんかもあるみたいなので京都のここでしか買えないというものではないけれど、ここに来て買うのが好きなので定期的に足を運んでいる。きっと心のどこかで祖父母が来ていた事実と重ねているのかもしれない。歴史あるお店は時を超え繋がっているのだと思うとなんだか込み上げてくるものがある。